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経営者に送るコラム「成功する経営」

 
第二回:テーマ「私はこれで会社をダメにしましたー二条彪の失敗の理由」Vol.2
失敗の理由その1
「ほんとうは違うことをしたかったと思っていたので失敗しました」その2

※Vol.1からの続き
結局、私は二代目として事業を継いだものの、自分がやりたかった仕事と違うという心の中の葛藤から抜け出せず、無意識的に会社を破滅に向かわせてしまったのだと反省している。 私と同じように悩んでいる二代目もあると思う。
しかし、まったくこのような悩みを持っていない二代目もいる。さらには三代目、四代目になるとこのような悩みを持つ人はもっと減ってくる。
何故このような違いがでるのであろうか。 私はそれは、創業者の事業継承に対する考え方の違いにあると思っ ている。
この事業継承という問題に絞って創業者がやるべきことを考えてみたい。 事業継承にあたり創業者がやるべきことこれは、さらに言えば二代目が自分の力ではどうしようもないことは創業者が自らの手で事前に処理しておいたほうがいい、ということである。


1.息子(または娘)に事業を継がせるならば、幼い時から「継ぐものなのだ」と教育をしておく
実子である二代目が社会人になる時に継がないと言い出すのは、二 代目が小さい時から「継ぐものなのだ」と言って聞かせてこなかったことに原因がある。
事業継承は実子が幼い時からはじまっている。親の働く背中を見ていればおのずとわかってくれるであろう、というのは甘い。目を見てはっきり言っていかなければいけない。
ではなぜ、二代目が社会人になるころに継いで欲しいと話しても言うことをいかないのか?
それは実は創業者の気質が遺伝しているからなのである。というのは、創業者というのは独立心旺盛で、自立 しており、自分の価値観をはっきり持てる人が多い。多いというかそうでなければ創業はできないと言ってもいい。そのような独立心旺盛な人の子供はどうなのか?
少なくとも半分はその遺伝子を継いでいるといっていいだろう。 創業者の実子は創業者と同じく独立心旺盛で自立している人が多いのである。となれば、ほうっておけば創業者がそう思ったのと同じ く二代目も自立したい、自分の力を試してみたい、と思い至るのは必然なのである。
だから、二代目が社会に出るまで事業継承の問題に触れないのではなく、幼い時から「継ぐものなのだ」と言い聞かせ、独立心・自立心を事業継承という枠組みの中で育てていくことが必要なのである。
もう、そんなことを言われても手遅れという方もいるかもしれない。 実子がもう社会に出ている又はもうすぐ社会に出そうだ、という場合は創業者と二代目がまずはお互い膝を突き合わせてよく話し合ってみることをお勧めする。二人とも照れて気恥ずかしいのか、意外とこれをしていなく、お互い「わかってくれている」と自分のいいほうに解釈しているケースが多い。 お互い恥ずかしがることなく腹を割って本音で話せばまだまだ間に合う。
三代目、四代目になるとお互いそんなに話し合わなくても自然と事業継承するのはなぜか?
これは先と同じく小さい時から無言の「継ぐものなのだ」という教育がなされているのである。しかし、これ は三代目、四代目と歴史が作っていく事業継承の文化であり、家の雰囲気というか空気がそうなるまでには相当な時間がかかるものである。
だから、二代目の場合は実子に継がせるのであればやはり幼い時から教育をし、意識改革をしていく必要があるのである。

2.創業者の引退と同時に創業者の参謀・部下も一緒に引退すること
これは、また別の号で詳しく述べる機会もあるかと思うが、創業者が引退してもなお創業者の参謀や部下がいることは二代目にとっていい環境ではない。一言で言えばやりにくいということだ。二代目はまだ未熟だからと創業者の参謀を置いておくのも良くない。未熟だと思うのならまだ創業者は引退してはいけない。身を引く時を間違えていると言える。
創業者がいなくてその部下だけ残っているという環境は二代目にとってやりにくい環境であるし、また二代目がやりやすい環境にしようとして創業者の部下に引導を渡すことも、これまたやりにくいのである。
だから、創業者は自分の引退と同時に参謀や部下も一緒に引退することを常日頃公言し、環境を整えておくことが大切である。

3.会社に利益をもたらさない親族はやめてもらう
創業者の時代から会社にいる親族は、将来二代目とトラブルになる可能性が高い。このケースも創業者の引退と同時にやめてもらうよう、創業者が事前に通告しておくことが大切である。
創業からいる親族に対して、将来二代目が引退の引導を渡すのはたいへんやりづらいことである。はっきり言ってやりたくてもやれていない二代 目はたくさんいると思う。これも創業者が事業継承にあたりやっておかなければいけないことである。
また突然創業者が亡くなってし まった場合は、会社は混乱しているとは思うが、親族については3年とか期限を区切って雇入れる期間を話しておくことがとても大切である。この場合は会社にいる親族は創業者がいないことをいいことに勝手なことを言い始める可能性がある。だから、親族の雇入れ期間については継承する二代目がすみやかにきちんと話しておくことが必要である。
また親族が会社に多いと従業員の士気にも影響する。そのような意味からも創業者の引退と同時に親族にもやめてもらう、というのが良い方法であると思うし、親族にそれが言えるのは創業者しかいない。

4.創業者が会長、相談役にとどまるのは2年が限度
創業者はどうしても二代目のことが心配で会社になんだかんだで残りがちである。
これもまた二代目にとっては実力を発揮しにくい環境になってしまう。創業者にとっては、二代目であろうが誰であろうが心配であるし、自分が一番と思ってしまうのはしかたがないことである。それくらい自己顕示が強くなければ創業なんてできないのだから・・・
しかし事業継承という創業者最後の大仕事ではこの自負心や心配性が邪魔をしてしまう。創業者にとって二代目がもう大丈夫と思えるときは永遠に来ないといっていいだろう。まあまあだな、で引退の時期は充分である。それでも、2年くらいはランディング期間として会社に残るのは良いことだと思う。
しかし、それ以上はダメだ。それ以上残ると、なんだかんだと口を出しはじめてしまう。これが二代目の成長を止めてしまい、また変な方向へ二代目のエネルギーを向けてしまうことにもなってしまう。例えば採算性の見通せない新しい事業をやってしまうとか、夜遊びに走ってしまうとか、二代目がへんに力んで創業者と競争を始めたり遊びに走ってしまったりして、結果的には二代目を潰してしまうのである。
そのようになる二代目にも当然責任があるが、多くの場合創業者が過干渉であるケースが多い。これは登校拒否や引きこもり、非行の子供と親の関係にも似ている。 創業者からみて完璧な事業継承者は自分自身以外にはいないのである。だから、二代目がまあまあだなと思えたときが引退時であり、そのあとは口を出したくてもじっと我慢、我慢である。創業者最後の大仕事であり最後の試練であるとご認識いただきたい。


今号は創業者の事業継承においてやっておくべきいくつかのことに ついて述べたが、二代目の私が書くと自分の不始末を創業者のせいにしているように受け取られてしまうかもしれないが、決してその ようなことはない。私のような失敗や間違いをみなさんにはしてい ただきたくないという純粋な気持ちから書いているにすぎない。どうかご理解をいただき、次号では、いよいよなぜ二代目は経営に失 敗しやすいのか、創業経営と二代目経営の違いについて考えてみた い。

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著者 二条彪

二条彪(にじょうたけし)略歴

昭和36年生 40歳
大学卒業後某レコード会社入社 昭和60年実父逝去にともない、年商15億、店舗数15店舗、従業員数70名の婦人服小売チェーンを継ぐ。平成12年同社の破産まで16年間代表取締役として経営を行なう。上記会社経営の間に、アパレル会社など2社の起業と清算廃業を経験する。平成13年中小企業のお助けマンとなるべくアルファルファ・コンサルティングを開業。

資格 経済産業大臣認定 中小企業診断士
   厚生労働大臣認定 初級産業カウンセラー
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